文化庁メディア芸術祭 札幌展 ココロ・つなぐ・キカイ

紹介作品

展示作品

KAGE table

KAGE tableplaplax(プラプラックス)

第1回デジタルアート部門大賞

円錐形のオブジェに触れると、その影は、動き出したり、形を変えたり、ときにはカラフルに色づいたりします。コンピュータによって作り出された映像の影と、鑑賞者自身の本物の影が同じ平面上に投影されます。実在を証す指標でもあった影は映像の原点とも考えられ、虚像の影と本物の影とが不確かに交差することによって、自分という存在を再認識します。

シーマン~禁断のペット~

シーマン~禁断のペット~斎藤 由多加

第3回デジタルアート部門優秀賞

この作品は、音声認識のシステムを使い、プレーヤーが登場するキャラクターと声(会話)によってコミュニケーションを取ることができます。 そして、キャラクターを飼育していくという、今までのゲームにはない新しい方向性を示した点で非常にエポックメイキングです。 キャラクターとの会話はユーモアとウィットにとんでいて絶妙です。

Que voz feio(醜い声)

Que voz feio(醜い声)山本 良浩

第15回アート部門大賞

時間、話者、字幕など様々なレベルでの「差」を体験する映像作品。別々の場所にいる双子の女性が柔らかな物腰で幼少期に起きた、とある事件を語り出します。鑑賞者は2画面の映像、音声、字幕を同時に受け取ることによって、彼女たちが同じ事件のことを語りながらも内容に微妙な差異があることに次第に気付いていきます。片方の映像から得られる情報に注視すると他方からの情報が疎かになり、双子の語る記憶と同様に、細部が混ざり合い、曖昧になっていきます。

感情纏身装身具

感情纏身装身具片貝 葉月

第19回エンターテインメント部門審査委員会推薦作品

「感情を身に纏(まと)うための装身具」をテーマとして、身につけることで、泣く・笑う・怒るなどのさまざまな感情を表現することができる、計21種類の装身具型ガジェットです。自分では制御しきれない「感情」を外側から身に纏うことが、自分の内面に対してどのように作用するのかという問いから出発した作品です。

(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合

(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合長谷川 愛

第19回アート部門優秀賞

実在する同性カップルの一部の遺伝情報からできうる子どもの遺伝データを生成して、それをもとに「家族写真」を制作した作品です。現在の科学技術ではまだ同性間の子どもを誕生させることは不可能ですが、遺伝データを用いた推測ならば可能です。遺伝子解析サービス「23andMe」から得ることができるカップルの遺伝データをウェブの「(Im)possible Baby」シミュレーターへアップロードすると、できうる子どもの遺伝情報が、外見や性格、病気のかかりやすさなどの情報リストになって出力されます。遺伝子研究が進み、もはや同性間の子どもの誕生は夢物語ではなくなろうとしています。しかし、技術的には可能でも倫理的に許されるのか、という議論を通過しなければ実現は困難です。一体誰がどのように、その是非を決定するのか、科学技術に関する意思決定の機会を多くの人に解放するために、アートにはどのようなことができるのか模索する試みでもあります。

Way to Go

Way to GoVincent MORISSET

第19回アート部門審査委員会推薦作品

ウェブブラウザもしくはヘッドマウントディスプレイで体験可能な歩行シミュレーター。プレイヤーは手書きの人型キャラクターとなり、森のなかを歩き、ジャンプし、止まり、観察することができます。本作は人生のメタファーであるため、テレビゲームのような決まったゴールはなく、自分のペースで小道を進み、物事を眺めることになります。

ゲームキョウカイ

ゲームキョウカイ藤木 淳

平成24年度メディア芸術クリエイター育成支援事業 採択企画

『ゲームキョウカイ』は、横並びにつなげられた往年の家庭用ゲーム機の中を横スクロールしながら、およそ30年のTVゲーム史をプレイできる作品です。各時代のゲーム機の特徴をも再現した典型的なゲームをクリアすると、隣のゲーム機へキャラクターは移ります。次々に新しくゲームが始まっていくその様は、新たなミッションが未来永劫に新しいゲーム機の登場と共に繰り広げられていくかのようです。様々なゲームの境界をシームレスに繋ぐ試みであると同時に、感覚と物質の境界、技術革新や社会認識など、次々に訪れる様々な境界を、私たちはどのようにプレイしながら乗り超えていくことができるのかを問うているかのようです。

初音ミク

初音ミククリプトン・フューチャー・メディア株式会社

『初音ミク』は、歌声合成システムを用いたソフトウェア音源で、規約の範囲内であればキャラクターの自由な利用を認めています。そのため、ソフトウェア利用だけではなく、キャラクターを用いた創作活動をも促進し、ネットを中心に社会現象となりました。
本展示では、札幌の企業によって生まれた『初音ミク』がメディアを横断しながら、これまで多彩な枝葉として成長してきた様子を紹介します。
[展示作品] 羽ミク等身大フィギュア/piaproの壁/リボンの騎士

Cycloïd-E

Cycloïd-EMichel DÉCOSTERD / André DÉCOSTERD(Cod.Act)

第14回アート部門大賞

水平方向に連結した5本の筒を回転させながら、先端のスピーカーから音を発するサウンドスカルプチャー。モーターによって振り子のように動いている筒は、音源と計測器を備えた金属管。その回転運動に応じて音が反響するという仕組みです。それぞれの振り子が描く軌跡は正確ですが、予測不可能かつ魅惑的なパターンを描き出し、複合的な音を奏でています。(映像展示)

Pendulum Choir

Pendulum ChoirCod.Act (Michel DÉCOSTERD / André DÉCOSTERD)

第14回アート部門大賞

9人のアカペラと18の油圧ジャッキからなるオリジナル合唱作品です。歌い手たちは角度可変の台座の上に立ち、生きた音響要素となる。9人はさまざまな状態に置かれた身体から音を生み出し、変化する音に合わせてなめらかに体勢を変えてゆく。彼らが発するのは、抽象的な音、反復する音、詩的あるいは物語的な音などさまざまです。
合唱は、電子音を伴って一体感を打ち破りながら盛り上がりを見せ、または秘教的な祭礼のように停止します。彼らの身体は機械仕掛けの寓意のなかを生から死へと進んでいく…。テクノロジーの複雑性と生身の身体の叙情が融合した『Pendulum Choir』は創世的な特質を備えた作品です。(映像展示)

Species series

Species seriesYANG Wonbin

第16回アート部門新人賞

本作は、自動ロボットが新種の生物として都市環境のなかで誕生し、生き、死んでいく様子を捉えたアート・プロジェクトです。ここでは自動ロボットを参照して、人工生命体がいかにして都市を生息地に定め、いかにして都市設備を使用し、人間のつくった環境で生きる生存戦略を発達させていくのかを探究します。生物学的概念、動物学的概念とロボット工学が融合してつくり出されたロボットは、隠喩的に生命体として把握されることになります。
さらに、このプロジェクトではロボットたちの日常生活をさまざまなテリトリーで追跡して、データを集積します。それは、ロボット種の誕生、適応、進化の歴史を物語るものと言えるでしょう。(映像展示)

Nyloïd Cod.Act

Nyloïd Cod.Act(Michel DÉCOSTERD / André DÉCOSTERD)

第18回アート部門優秀賞

動きに連動する音響装置を携えた長さ6mの脚を持つナイロン製トライポッド(三脚)が、まるで巨大な生物のように、複雑かつ有機的な動きと音を生み出す音響彫刻です。地面に固定されたエンジンの回転の影響を受けて、トライポッドは大きく湾曲し、ねじれていきます。時には大らかな弧を描くように舞い、時には苦悩するかのように地面に打ちつけます。
肉声を分解した音源が、動きに合わせて不断に組み合わされることにより、緊張感や怒り、親密さといったさまざまな感情を鑑賞者に想起させます。まるで不気味な生物のようなパフォーマンスは、素材の性質、ミニマルかつ高度な機械構造、音の結合という完全に無作為な動きから生み出されています。(映像展示)