文化庁メディア芸術祭 札幌展 ココロ・つなぐ・キカイ

紹介作品

映像作品

新しい生物

新しい生物ユーフラテス

第16回エンターテイメン部ト門審査委員会推薦作品

NHK Eテレの教育番組『ピタゴラスイッチ』の1コーナー。視聴者である子どもたちに、身の回りにある日用品を生き物に「見立てる」面白さを伝えるとともに、モデルになったものの性質を使った独特な「生態」を見せることで、まったく新しい存在感を持ったアニメーションを目指した作品です。

Rhizome

RhizomeBoris LABBÉ

第19回アニメーション部門新人賞

タイトルは、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズと精神科医フェリックス・ガタリの共著『千のプラトー』(1980)で複雑に展開されるRhizome(リゾーム)の概念からつけられています。
そのリゾームの原則を網羅しながら、生物学的な意義と哲学観の考察が試みられています。スティーヴ・ライヒの音楽のコンセプトとエッシャーの数学的な作品、そしてボッシュやブリューゲルの絵画と、遺伝学のような生物の進化に関する理論やミクロとマクロの関係などの要素のあいだに生まれてくる何かをつくりたいと考えるなかで、ドゥルーズとガタリの概念が頭に浮かび創作につながったと言います。若い作者の興味と欲求を具現化した独創的な作品です。

ゴールデンタイム

ゴールデンタイム稲葉 卓也

第17回アニメーション部門大賞

舞台は、好景気に沸いた1980年代の日本。ある日、長年使われてきた60年代製の家具調テレビが廃品置き場に捨てられてしまう。テレビは捨てられたことを受け入れられず廃品置き場から脱出を試みるのだが……。テレビがたどった数奇な運命を人生に重ねてつづるストーリー。
悲喜劇を通して、テーマである「生きることの肯定」が描き出されます。脚本・演出・キャラクター造形に至るまでスタンダードな手法にこだわり、台詞を排除することで、アニメーションと、効果音、音楽の調和だけによる純粋な映像表現に挑戦しています。古典的な語り口とアナログなアニメーションによる新たなエンターテインメントを目指した作品です。(21分41秒)

WHILE THE CROW WEEPS ―カラスの涙―

WHILE THE CROW WEEPS ―カラスの涙―鋤柄 真希子 / 松村 康平

第18回アニメーション部門新人賞

動物だけが持つことを許された「生きる」という本源的な意志や本能を主題とした作品です。彼らのよどみのない純粋な生に対する意志は、言葉を持たないこと―つまり言葉(=思想)如―に生来するパトス(情念)に他なりません。本作の「子ガラス」と「母」の関係は、生と死という矛盾する二つの概念が、互いに補完し合い、両者が一体となってひとつの全体性をなす“融即”の関係にあることを物語っています。自分のために犠牲となった亡き母を捕食し、命をつないでいく「子ガラス」を描くことを通じて、我々人間にとっては禁忌とされるカニバリズムをやすやすと超え、己以外の他者に生命が融けてゆく象徴的なイメージを表現しています。

The Sense of touch

The Sense of touchJean-Charles MBOTTI MALOLO

第18回アニメーション部門優秀賞

耳が聞こえず、口をきくことができない主人公のクロエとルイの関係を描いた物語。ひそかに愛し合っているが、お互いにそれを認めようとしない二人。言葉の代わりにジェスチャーを使う彼らは、一つひとつの言葉を振付に置き換えてダンスをするようになる。ある晩、彼女は2匹の捨て猫を連れてきた。猫アレルギーのルイはその事実を隠そうとしたが、落ち着くことができず、ついに夕食の場で我慢の限界が訪れる。自らのぎこちなさに苛立つ一方、クロエの無邪気さにも追いつめられていくルイ。二人のダンスのペースが変化する中、アレルギーで身体がすっかり腫れてしまったルイはクロエをドアの方へと追いやるが―。ユーモアとエレガンスに満ちた、複雑で感動的な物語です。

ジョバンニの島

ジョバンニの島西久保 瑞穂

第18回アニメーション部門優秀賞

1945年、北海道沖に戦火を免れて浮かぶ小さな島・色丹島(しこたんとう)で戦争の実感がないまま10歳の兄・純平と7歳の弟・寛太が暮らしていた。しかし8月15日の敗戦に伴い、彼らの生活に大きな変化が訪れる。明日にでも米国軍がやってくるのでは…と不安な日々を送る島民たちであったが、突然上陸したのはソ連軍だった。そして、いつの間にか国境線が変わり、やがて島にソ連兵の家族が移住することになる。島民と新しい隣人との共同生活が始まるのだが―。戦争の不条理と悲劇を「純平」の目線で辿りながら、言葉と文化の違いという壁を越えて、子どもたちの絆が芽生えていくさまが描かれる。日本をはじめ多国籍スタッフが集結して送る、実話に基づいた作品です。(101分25秒)

映画クレヨンしんちゃん「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」

映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん髙橋 渉

第18回アニメーション部門優秀賞

埼玉県春日部に住む野原家は5歳の主人公・しんのすけと父・ひろし、母・みさえ、妹・ひまわりの4人家族。ある日、父・ひろしがロボットに改造されて帰ってくる。最初は戸惑う一同だが「ロボひろし」の奮闘により、次第に心を通わせ家族の絆を深めていく。しかし、すべては父性の復権をもくろむ組織によって仕組まれたことだった。ロボひろしの暴走をきっかけにその事実を知る野原一家。また、生身のひろしが生きていることも発覚する。自分がコピーであることに衝撃を受けるロボひろしだが、家族を守るために組織の陰謀に立ち向かう―。シリーズ第22弾となる本作では、初めて父親のひろしにスポットを当て、姿形はどうであれ父親であろうとするひろしと、父は父であると自然に受け止めるしんのすけの姿を通して、現代の父子のあり方が描かれています。(97分)

たまこラブストーリー

たまこラブストーリー山田 尚子

第18回アニメーション部門新人賞

高校3年生に進級した主人公・北白川たまこの頭の中は、大好きなお餅のことばかり。学校の帰り道、たまこは仲の良い友人たちと進路の話をしていた。不安を抱えながらも将来のことを考えている友人たちに対して、彼女は何気なく、将来は家業のお餅屋を継ぐと答える。周りが変わっていく予感を少しずつ感じ始めた頃、たまこは幼なじみの大路もち蔵から、東京の大学へ行くことを告げられる。幼い頃からもち蔵とずっと一緒に過ごしてきたたまこにとって、それは思いもよらないことだった。そしてもち蔵から「俺、たまこが好きだ」と告白を受ける―。突如訪れた“恋”というきっかけが、一人の少女を大人の階段へと導く。テレビアニメーション『たまこまーけっと』の続編となる青春物語です。(83分50秒)

息ができない

息ができない木畠 彩矢香

第19回アニメーション部門審査委員会推薦作品

水をモチーフに、現実と心象風景とを織り混ぜながら、主人公の身の置き所のない不安な心情と心の変化を、砂を用いて描き出したアニメーション作品。水泳の授業の最中にふざけた勢いで友だちを溺れさせてしまった少年は、級友からの視線や自責の念に苛まれるうちに、徐々に増えていく水に溺れ、やがて足のつかない水中にひとり取り残される。

新千歳空港国際アニメーション映画祭スペシャルセレクション

新千歳空港国際アニメーション映画祭スペシャルセレクション

 

毎年秋に開催する、世にも稀な空港映画祭である「新千歳空港国際アニメーション映画祭」(2016年は11月3日[木祝]〜6日[日])。世界の新しい短編アニメーションが集うコンペティションノミネート作品から、2014年/2015年の受賞作品含め、今回だけのスペシャルセレクションをお届けします。アニメーションはこんなに面白い!
[上映作品]ようこそぼくです選/ひとりぼっちのヒーロー/É IN MOTION NO.2/えんえん/びらとりのおはなし オキクルミの妹/Afternoon Class/Yield/Bird Shit/Teeth/ズドラーストヴィチェ!